天井に照明をつけないという選択 オランダの暮らしから

オランダでは、リビングの天井に照明がないことがしばしばあります。

我が家のオランダの家にもありません。引っ越す前もまたありませんでした。
こんな感じです。

こちらは配線がきているにもかかわらずブランク。
おそらくリフォームして、部屋の使い方と照明位置が合わなくなってしまったと思われます。

 

リフォームで照明の位置を変えたり追加するとき、配線が悩みの種になることがありますが、そもそも「天井に照明をつける」という常識を考えるきっかけになりました。

灯かりはというとスタンドライトだけ。3~4台くらい部屋の隅のほうにあります。

気になるのは、暗くないか?ですよね。

結論からいいますね。

明るさで困ったことはありません。
部屋を見渡せば天井照明より暗いともいえますが、本を読むにも十分なあかりです。
暗ければスタンドを足せばよいのですが、広いリビングでも3,4台で十分。白い壁に当たるととても明るいです。

不便なことは1台ごとのオンオフでしたが、
今は手軽にリモコン化する方法がありますね。スマホとリンクなんてこともできてとても快適。

それでもまだ本当かな?と思うかもしれません。
でしたら簡単なのでぜひ試してみてください。
「天井の灯りを消してスタンドライトを複数つける」
ちょっと慣れるまで1週間くらいを目安にぜひ。

照明って器具を選ぶ時も、カタログや写真では本当にわかりにくいもの。実際に見て体感すると、こういうことか~と嬉しくなりますよ。

試すと気づくと思うんです、
そこにできる陰影がなんとも美しい―。

明るいか暗いかではない、照明の役割

人もモノも横から照らした方が陰影が美しいのです。
だから目に入る空間が美しく見える。
部屋の奥を照らすことによって奥行き感もでる。

寛ぎを大切にするリビングにぴったりの照明だと思います。

ときには照明を減らしてキャンドルをつけることもあります。これもヨーロッパの文化ですね。売っているお店もたくさん。
我が家もオーナーがテーブルやチェストの上、窓辺など、あちこちに置いていてくださったことで、日常のなかで使うようになりました。
お部屋にキャンドルのゆらゆら揺らぐ光、知らないともったいないような時間です。

 

ヨーロッパの文化って、日本人には無条件に素敵に思えることがありますが、なんでもかんでも見習う必要はないと思っています。
でも、この照明やキャンドルは、よいしかないとお伝えしたいです。

 

オランダでもリビングの天井照明がある家はもちろんあります。ただ、それしかない家はほぼ見当たらず、スタンドライトは必ずあります。
オランダでは、夕食後のだんらんの時間をとても大切にしています。照明はそれを演出するもの。
全体を均一に照らす照明がない、そもそも天井に照明がついてないのもそういうことなんです。

スタンドライトを用意するだけ、チープな器具でも全然構いません。本当に簡単に今ある部屋を美しくします。
ぜひ真似してみてください。

部屋の四隅や奥に置くのがベーシックですが、いろいろ試して好きな場所でいいですし、高さを変えてみるのもいいです。

お部屋の変化を楽しんでみてくださいね。