熱海一戸建て住宅リノベーション[事例紹介]

熱海湾を一望する築40年250㎡の和風在来工法の戸建て住宅リノベーション事例です。
ライフステージの変化と大規模なメンテナンス時期を迎えたのを機に、間取りから刷新し、家族を繋ぐ最も重要な「音楽」を生活の中心に据え、豊かな暮らしへといざなうアートを取り入れた空間へと生まれ変わりました。
工事に携わったのは地元熱海の大工集団。一本の木材から創り出す大工仕事をメインに、左官師、塗り師、建具師、表具師などが、伝統工法と自然素材だけで仕上げた空間です。

Design Concept 「碧のシンフォニー」
カラースキームは、熱海の美しい自然の色「碧」。目の前で刻々と表情を変える海と山の碧を取り込みました。和風建築とグランドピアノの要素である黒と、ガラスの艶っぽさをアクセントに織り交ぜながら、優雅な空間を表現しています。
静岡産ヒノキ材をふんだんに使った大工仕事と碧のコントラストがみずみずしく、どこから見ても美しく、機をてらわない華やかさをもつインテリアへ仕上げています。

【before】

LIVING ROOM

目に入ってくる景色は、モナコのように山に張り付く熱海の町、海と山の碧。こちらとの繋がりと、リビングとしての華やかさを意識したデザインです。静岡産ヒノキ材で制作したリビングテーブルを中心に家具をシンメトリーに配置。目線を上へ奥へと導き、広がりを感じるように照明やアートをレイアウト。

アートの場として、棟梁に制作いただいたコンソールテーブル。ケヤキの一枚板を天板にしています。アートポートフォリオのキーピースとなるよう絵画とオブジェ作品を提案しています。

DINNING ROOM

一幅の絵のように景色を切り取る額縁と、アートポートフォリオのための場を作りました。和に寄せた直線的な建具や家具に合わせた対比的なモダンな照明が個性を表現しています。

KITCHEN

キッチンの背景としたのは多治見窯変タイルです。深い海の色をイメージしました。鳥居のような形状のスツール、キッチン把手には民芸箪笥の金物を選び、和をミックスさせています。

MUSIC SALON

ご家族が音楽を楽しむスペース。200枚を超えるレコードの収納を造作し、一部をディスプレイに。ブラケットはピアノの曲線やツヤをイメージして選定。照明と複雑な陰影のある壁紙が夜の演奏も盛り上げます。

窓辺のデイベッドに寝転んで、海を眺めて音楽を楽しみます。ペットのために汚れが浸透しにくいファブリックを選定。マット下は大容量の収納です。

ガラスの格子戸でリビング、サロン、ダイニングが続いていきます。部屋ごとにファブリックのブルーの色味を少しずつ調整し、刻々と変わる自然を表現しています。

BATHROOM

パウダールームや浴室も全体のテイストを踏襲しました。浴槽は静岡産桧風呂、上には色のグラデーションが近くでも遠目でも美しい多治見産モザイクタイルです。


本物件は、英国インテリアデザインビジネス協会(BABID)が組織するデザイナー集団より、プロジェクトのために結成したチームメンバーにより完成いたしました。

プロジェクトチームメンバー(敬称略)

デザインプロデュース、監修、基本レイアウトプランニング:BABID代表理事 澤山乃莉子
意匠設計・インテリアデザイン:一級建築士事務所アトリエ木香代表 湯下奈津子
インテリアデザイン・FF&E・アートディレクション:Entre Deux代表  菅原貴美子
FF&E: BABID 渡邉弓枝
工事全般:若井工務店