床・壁・建具、内装カラーはますますグレーが主流

先日、ある建材メーカーが主催する内装材トレンドセミナーをお聞きしてきまして、
内装カラーはますますグレーにシフトしている、という話をお伝えしたいと思います。

マンションに絞って言えば、昨年、新築物件の約55%が内装にグレーを採用
とにかくグレー、一段とグレーなのです。

下の写真は、昨年関わらせていただいたマンションの内装材サンプル。
今まさに、とても多い色はこんな感じです。

グレーと言ってますが、正確には、グレイッシュ、グレー系ですね。
赤や黄などの純色にグレーを混ぜていって、鮮やかさを落とした色です。

実はこのトレンド、日々壁やら床やら、内装材に関わっている私たちは、もう10年以上聞いている傾向で、何ら新鮮さはありません。
でも、いつまでこのトレンドが続くのかというのは気になります。インテリアは、ある程度長いスパンで使うことを想定して選ぶものですから。

セミナーで何が興味深かったかと言うと、
グレー傾向はより顕著になり、ひとつの選択として定着している
という分析でした。

データは、トレンドが出やすいマンションに絞ったものですが、
グレー系割合は、フローリングでは2009年に5%未満だったのが2023年には50%超、建具は2009年に5%程度だったのが、2023年には60%にまで増えています。

戸建てやリフォームは好みが出ますので、顧客が求めるというよりディベロッパーが推進してきた感じはあります。とはいえ、戸建てやリフォームで使われることの多い無垢材フローリングでも、今やクリア塗装ではなく、ホワイト塗装で彩度を低くしたものが多くなり、グレー化の流れは着実に定着しているようです。
実際、以前は木色がグレーなことに抵抗感を持たれるお客様も少なくなかったのですが、最近はお客様から好んで選ばれることもあり、私も肌感としてグレーの浸透を感じますね。

内装だけではなく、インテリア全体で、たとえばキッチンや家具、ファブリックなども、ここ数年グレーがとても多いです。それだけにすべてをグレーでまとめたインテリアも多いですが、内装以外の色をどう組み合わせるかは個々に考えたいところ。

グレートーンは、彩度を抑えたなかにシックで洗練された表現ができたり、鮮やかな色を引き立たせてくれたり、テクスチャーを組み合わせて深みを出せたり、和にも洋にも使い勝手がよい色です。


グレーにしようか迷われる方、これはもはや大きな潮流ですので、ぜひ取り入れていただけたらと思います。