油彩画家、横島庄司さん
インスピレーションは意外なところに

銀座ギャラリー惣にて、油彩画家、横島庄司さんの個展が開催されています。

先日、麻布MRプロジェクトで、ダイニングに素晴らしい作品を納めていただいた画家の先生。

スケジュールなど無理も承知のお願いにもかかわらず、快諾いただき、プロジェクトのために描いてくださいました。

さて個展の入口、最初に目に留まる作品

そして、大きな画面にフォーカスされるこちらの作品

内に秘めた情熱か、新しいエネルギーか、

または、深海で起こっている何かなのか、サイレントと雑踏が交錯したような・・・

目から入った情報がいろんなことを想像させます。

横島さんの作品に特徴的なのは、水が垂れたような連続する縦のライン。

「水平線シリーズ・原始風景」と称して、ここ10年くらい、このラインによる画面の二層構造による構図の作画を試みていらっしゃいます。

ギャラリーにいらしたご本人に、制作について伺うことができました。

私:「二層構造の下部は重力の垂直運動を表現、上部は空気、光、水など様々な現象を想像させる色彩効果を追求している」とありますが・・・

横島さん:簡単に言うと、どこかの風景や見たものではないってことです。それを見て、自然といろんな想像がおこるでしょう?

なるほど。横島さんは長年絵画の先生でもあり、ものすごく噛み砕いて説明してくださいました。

私:ところで、この縦ラインはどうやって生まれたのでしょうか?

横島さん:外壁の雨だれですよ。

え!?

誰しも見たことがあろう、困った汚れでしかないアレです。

あるとき、縦にずらりと連続した雨だれを見て面白いと思い、絵画として表現することを思いついたそうです。

今や汚れにくいを売りにした外壁材が人気の世の中で、なんて楽しい発想なんでしょう~

見るもの、体験するもの、すべてが制作のインスピレーションになるとおっしゃいます。

すべてを面白がって興味深く、見えるものをそのまま見る

大人になるとたくさんの邪魔が入ってできなくなることを、なんてさらりとおっしゃるんだろうと。

そんな横島さんは今年還暦になられます。

気持ちを新たに、今までのものを壊して、新しいもの創作をしていきたいと考えているそうです。

エネルギッシュでピュアで、とても魅力あふれる方。

今後もどんな作品を見せてくださるのか楽しみです。

作品にはその人が表れるそうです。

人が創りだすのですから、そうですよね。インテリアにも通じると実感。

どの世界も、最終的には人間性になっていくように思います。

素敵なインテリアを見るとほぼ間違いなくアートがあり、重要なピースとなっているのに気づきます。

逆を言えばアートを入れることで、インテリアが完成するということになります。

もちろん、どんなアートを入れるかが重要で、空間をどう見せたいかという視点から見るのですが、アートの背景や作家さんの意図を知ることでインテリアにも深みやストーリーが生まれてくるのです。

アートを楽しみつつ、もっとインテリアに活かしていきたいと思うのであります。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

ギャラリー惣にて個展は3月7日まで開催してます!