素敵なインテリアに欠かせない小さな存在

前回に続き、トミタショールームでの打合せ、
壁紙の次は、クッションです。ディスプレイがかわいい♪


こちらには、イギリスやフランス、アメリカなどのデザイン性豊かな生地がたくさん。
さて、ここからクッションの生地選びです。

クッションをカーテンと同じ生地でつくったことがある、とおっしゃるお客様。
そうなんです、同じ生地でインテリアが繋がると、心地よいお部屋になります。

今回はあらたに生地を選ぶのですが、
クッションはお店で買えるのに、なぜつくるんだろう
と思いませんか?


例えばインテリアの写真を見て、クッションを指で隠すと部屋の印象が全然違ってみえる
この小さいものが、部屋の印象に影響するんです。
今回は、クッションを足すことで、上質で洗練されたインテリアをさらに印象的にしたい。
だから、デザインや素材に特別感のあるものがほしいのですが
これを市販品のなかから見つけ出すのは難しい、
というのがクッションをつくる理由です。

そうそう、市販のものをみると、
洗えるクッション、もちもちクッション、低反発クッション・・・
クッションは機能的な役割もありますよね

でも、これが生活感を主張している、なんてことも


クッションは小さいけど、部屋の印象に与える影響は大きい
だからインテリアデザイナーは、壁や床をどうするかと同じくらい、
もしくはそれ以上の心を配ってクッションも考えます。

さて、打合せに戻りまして

今回のお部屋の色合いは、グレーグラデーションに少しだけブルーを加える計画。
色数を抑えて、素材感で深みを出しています。

まずは、フランスのMetaphoresから届いたばかりの新作を見せていただきました。

新作のテーマは、生きる喜び
長いロックダウンのなか、それをインスピレーションに何かを生み出そうとする
デザイナーのエネルギーを知って心が動かされます。
あらためて、私たちが生きている大地や自然への感謝が大きなテーマのようです。

こちらは、手を加えるのを躊躇するような上質なベルベットに、大陸と海のような図柄の刺繍
この取り合わせが斬新!

こちらは、地層をテーマに
ストライプを分断するズレが効いたデザイン、見えますでしょうか?
ナチュラルでベーシックかと見えて
リズムを崩したひとひねりに、こだわりがたっぷり

カーテンや家具のファブリックとのバランスもいいので、こちらで検討することにしました。
縁は、フランスHOULES(ウレス)社のトリムを検討。

もうひとつ、こちらはイギリスの Jane Churchill
見る角度で光の反射が変わり、柔らかにも華やかにも、表情があります。
カーテンやソファの生地と合わせながら、秋冬にいいね、ということで、
秋冬用の替えカバーとすることに。

ファブリックは楽しい!
すっかり私が夢中になってしまいましたが、お客様も笑顔でいてくださって一安心(笑)

以前に、とある用事で街の手芸店をまわって布選びをしていたのですが
問屋街を片っ端から見ても、このようなインテリア生地は見なかったんです。
普段見ているインテリアファブリックというのは、一般の方々には身近でないということがよくわかりました。
ならば、こういうファブリックをいきなり選ぼうとしても難しいはず
頻繁に見て触れて、ある程度扱いなれていること、
これって大事なことなんだなと思ったんです、あらためて。

お気に入りのものがあると、毎日が幸せになります。
というか、私はこれが好き、という気持ちが幸せなのかな。
そのお手伝いができたらいいなと思っています。