ヴィラ 箱根仙石原[事例紹介]

仙石原ススキ草原を見通す眺めのいいお部屋にて、内装の全面的な改修をおこないました。
東京からも近いこちらで、保養や趣味の拠点として過ごされます。
アンティークがお好きで、高さ2m60cmのフランスアンティーク家具を置きたいとのリクエスト。
築35年が経つ建物は、丁寧に管理され比較的きれいな状態でしたが、内装は好みに合わせてモダンなテイストに変えたいとのご要望でした。

プランニング

計画当初、壁に大判タイルを貼る仕上げをご希望でしたが、既存が塗り壁のため、実現するには新たにタイルを支える下地をつくる必要があり、建物の条件的にもコスト面でも課題がありました。
そこで壁はなるべく既存を活かす方向で考え、色の変化で新しい空間をつくる計画にして、各部配色は丁寧な検討を重ねました。(詳細はこちらの記事に)

また、外の風景が広がる窓回りがビューポイントになりますが、この面にエアコンや暖房器具、カーテンまでも無造作に配され、雑多な印象に見えることが問題でした。
仙石原の冬は大変厳しく窓辺のガス暖房は必須。そこで窓下に大きな造作家具をつくり、暖房は内部に納めて見えないようにしました。使用する際には扉を簡単に外せるようになっています。大容量の収納にもなり一石二鳥です。
エアコンは移設してビューポイントから外し、カーテンは視界を遮らないよう全開できるシェードにしました。このように部屋としての景色を美しく整えたうえで、窓の風景を中心に家具を配置し、インテリアによって美しく変貌したお部屋が完成しました。

コンセプト 「夕暮れ、リッチなひと時」

日中は野外で余暇を過ごされるというお客様。お部屋に戻る時間、黄金色に染まるススキ、深い味わいのアンティーク、楽しんだ一日の終わりと美しい夕暮れ時のシーンを重ねてデザインコンセプトにしました。

Living room

奥に鎮座するのは、完成を待ちわびて別な場所に保管されていたフランスアンティーク、アルモワール。1900年頃つくられたというルイ15世様式のものです。
手前にあるフィリップスタルクのカウンターチェアは、同じくルイ15世様式のデザインをモダンに解釈したもの。時代を超えてデザインが繋がっています。
お客様が好きな赤をアクセントに。施設内にある温泉から戻ると、ラウンジチェアで寛ぎの時間を過ごされるそうです。

Bedroom

襖とアクセントに採用した壁紙はトミタのもの。
襖のモダンな幾何学柄は、奈良時代から伝わる日本特有の紋様がデザインモチーフに。
奥の壁に描かれたツル花柄は、今ではごく一部にしか自生しないといわれるハナカズラです。

Twilight

Owner’s Voice

過去の施工例を見て、空気感とインテリアセンスが良いと思い、インテリアデザインを依頼しました。
限られた予算の中、特別なこだわりを持ったアンティーク家具を中心とした、インテリアデザインを考えて頂きました。ほとんどお任せでしたが、照明や壁紙もピッタリの雰囲気に仕上げて頂きました。また生活面も考慮した設計になっていましたので、見栄えだけではなく使い易いお部屋になりました。
特に色に対する感覚が優れていると思いました。間接照明の照度に合わせたコントラストが綺麗になる配色で大胆な柄もスッキリとして見えます。
安心してお任せできると思います。また機会がありましたら依頼したいと思います。

この度は誠にありがとうございました。

Data

施工範囲/リビング、和室、キッチン、トイレ、玄関廊下
工期/約7週間

施工/オハナリホーム
造作家具/収納工房
インテリア/ナショナルインテリア、五洋インテックス、エスティック、ヴィエナ、他
縫製協力/YUKIKOソーイング
撮影/勝又義人