麻布モデルハウス[事例紹介]

東京、港区にあるモデルハウスのインテリアコーディネート事例です。
主に小物やファブリック、アートなど、プロジェクトの最終部分を担当しました。

テーマは、「和の美しさと洋のライフスタイルの融合」
購入されるお客様のライフスタイルを想定し、共感や理想となって、物件がより魅力的に見えることを目指しました。

物件特性からみると、落ち着いた年齢層が想定され、欧米からの居住者も大変多いエリア。
そこに、計画されていた内装は、木、石、左官といった自然素材をふんだんに使った、風合いや色合いを活かすもので、空間構成は非対称でした。いわゆる「和空間」です。

こういったことから、求められるライフスタイルはコンテンポラリーで西洋的、そこに日本の美しさが表現されたスタイルをつくっていこう、
このようにテーマを設定しました。

建築工事とのスケジュール調整や、現場の仕上がりから和と洋のバランス調整を重ね、完成に至りました。

日本人アーティストの作品と日本各地の伝統工芸品の美しさを演出に活かし、パブリックからプライベートへ続く動線にそって、住まう方のライフスタイルを意識し、和から洋に変化していく設えになっています。

リビング

ダイニングへ

ベッドルームへ

続いて、アートと小物について紹介します。

リビングのメインを飾るアートは、稲垣洋介さんの作品。
2mもの作品を本物件のために制作くださいました。
稲垣さんは墨・和紙・膠・岩絵具を使って描く日本画家でいらっしゃり、こちらは岩絵具で描かれています。

迫力ある天然石のセンターテーブルには、物件のアイコンとなっている椿の花。
その下は2枚の手すき和紙を重ねています。
まな板皿は茨城の笠間焼のもの、急須は岩手の南部鉄器、御猪口は岐阜の春慶塗。

演出を担っている全国各地の伝統工芸品(または伝統的工芸品)の数々は他にも。

リビングの一角につくられたガラスの飾り棚に
中央真ん中は富山の高岡銅器の香炉、右中段の一輪挿しは佐賀の白唐津、右下段は岡山の備前焼。

左上段と中段、中央上段の一輪挿しは、陶芸家の小野澤弘一さんの作品
輪郭を切り取るようなラインとそれを強調するような無口な肌合い、静かな存在感が気に入っています。

ダイニングの造作棚。石目が大変美しいです。
この存在感に負けず出しゃばらず、慎重に小物を選定しました。
重箱は春慶塗、その奥は変わり塗の技法が目をひく新潟漆器のお皿、カウンターには佐賀の伊万里

あらためて伝統工芸品を見て、ひとつひとつの存在感に気づかされました。
繊細だけど力強く、日常使いできるものでありながら目を留める美しさがあります。
これを通じて、何か少しでも生産地域の伝統技術の継承と発展に繋がれば大変光栄です。

<ご協力メーカー、ブランド>
オリエアートギャラリー/グリーンアート/アートスペース・モルゲンロート/CASICA/伝統工芸青山スクエア
コンランショップ・ジャパン/タイムアンドスタイル/菅原工芸硝子/Style Meets People/日本フィスバ